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2016年07月31日号 2面

広範な分野での宣教協力について、今年9月27〜30日に神戸で開かれる第6回日本伝道会議(JCE6)は15のプロジェクトを推進している。日本福音同盟(JEA)第31回総会(6月6〜8日)内で、JCE6の各プロジェクトの経過と展望が紹介された。【高橋良知】   †   †
プロジェクト「ディアスポラ宣教協力」は内村伸之牧師(ミラノ賛美教会)が紹介(7月24日号「保存版 世界宣教・国際協力 祈りと支援のガイド」を参照)。
教会開拓、教会増殖
プロジェクト「教会開拓、教会増殖」は播義也牧師(アジアンアクセスジャパンディレクター、保守バプ・恵泉キリスト教会埼京のぞみチャペル)が紹介。「日本に福音を中心とした共同体が、津々浦々に満たされること」を目指す。日本のクリスチャン人口2%も目標だ。JCE7へ向けた7年間では、「教会開拓の土壌づくりをしたい」と語った。
東日本大震災後、支援に携わり、教会がある地域と、ない地域の支援の違いを実感した。被災地の教会からは、歩いていける所に教会があるイメージで生み出したい」との声が上がったと言う。実際に宮城県の牡鹿半島では、支援を通して、被災者の家でバイブルスタディーをするグループが生まれ、「牡鹿半島ではコンビニの数よりも教会が多い」と言うほどになった。
またフィリピン福音同盟の例も挙げた。バランガイと呼ばれる町の単位ごとに教会を生み出す目標を決め、各教団教派が取り組み、5万1千の教会を生み出した。現在は、まだ教会のないバランを含め10万の教会を生み出すことを目指しているという。「開拓には、難しさ、痛みを覚えている人も多いと思う。鍵は被災地に見る宣教のあり方にある」と語った。JCE6当日では、東北の被災地での教会開拓、都市部での教会開拓など、日本で取り組んでいる教会開拓の事例から学び、各地でできることを考える。「教会増殖ビジョンフェスタ」を年1回ほど設け、地域ごとのネットワーク形成も呼びかけている。
痛みを担い合う教会
プロジェクト「痛みを担い合う教会」は若井和生牧師(単立・飯能キリスト聖園教会)が紹介。若井氏は3月まで岩手県の保守バプ・水沢聖書バプテスト教会で牧会し、東日本大震災後、被災地支援にも関わっていた。「震災前からあった地方の課題がよりはっきり見えてきた」と言う。「『復興』『再生』が言われても、経済的基盤がない、仕事がないなどで若者が離れ、高齢化・過疎化が加速する。中央と地方のゆがみ、神道や仏教など異教世界との対峙、地方教会の苦闘など、いよいよ深刻な被災地の現状がある」と述べた。「しかし、これはこれからの日本の課題の先駆けでもある」とも強調した。プロジェクトメンバーは、岩手、福島、宮城で被災、支援を経験した牧師を含み、震災での経験を通して、「痛み」「担い合う」「教会」の3テーマで神学的な考察を深めている。「地方の教会の痛みを自らの痛みとして担い合う素地をつくりたい。すぐに結果は出ないかもしれないが、30〜50年後につながるものとして、まず土壌づくりから未来につながる取り組みをしていきたい」と語った。     †   †
神戸準備委員会から
神戸の開催地準備委員会からも進捗状況について正木正人氏(神戸ルーテル神学校校長)から報告があった。神戸では、JCE6に向けて、JEA各委員会に対応する宣教、社会、女性、援助協力、青年、神学といった6つの「アナロギア委員会」を結成し、取り組みを進めた。またJCE6で導入するグループ形式の「コイノニア」の研修を通じ、宣教協力、人材発掘・育成の機運が高まった。
この連携を継続するため、「コイノニア・ネットワーク@神戸」をつくり、3年計画で各委員会のイベントを通年プログラムで支援する。神戸をモデルケースとして、日本各地にアナロギア委員会ができ、宣教協力が進むことも期待する。

【関連】

日本伝道会議特設ページ
○聖書信仰、多元主義、誠実さ、宣教170▶200 第6回日本伝道会議 各プロジェクトから③
2016年7月8日
環境、災害、青年、子ども 第6回日本伝道会議 各プロジェクトから2
7月3日号紙面:この国の宣教協力を考える 第6回日本伝道会議 プロジェクトから
2016年6月25日
JEA総会で日本伝道会議15のプロジェクトと開催地神戸の取り組み紹介 2016年6月7日

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